児童相談所の
人材支援

事業背景

現在日本には236カ所の児童相談所があり、児童およびその家庭への相談援助や一時保護、措置判定など、児童福祉の基幹的組織として運営がなされています。そのような重要な機関である一方、そのほとんどが「人材に関する課題」を抱えてきました。

それにより、近年、人員枠の増加、人件費に関する予算の拡充などの大幅な改革がなされてきています。たとえば政府は、2023年度からの2年間で児童福祉司を1,060人程度、4年間で児童心理司を950人程度増員する方針を固めています。このように、児童相談所の人員不足という問題に対しては、「採用数」の増加という形での改善が試みられている一方、職員の高い離職率や職員がメンタルヘルスの不調を抱え休職するという課題が顕在化してきています。

このような状態が続けば、児童やその家庭への適切な相談援助や措置判定、虐待などの原因によって傷ついた心理面へのケアなど、児童相談所が果たすべき業務にも支障をきたしかねません。

課題解決に向けた
取り組み

チャイボラは、
社会的養護施設の人材確保・定着に向き合ってきましたが、
近接領域かつ要となる児童相談所の課題の解決は、
社会的養護施設の課題解決を進めるうえでも大事な観点であると考えました。
これまでに積み重ねてきたノウハウをビジョン実現に向けて最大活用すべく、
以下の取り組みを行っていきます。

広報啓発

児童相談所職員へインタビューを行い、「児童相談所で働くことの苦労ややりがい、世の中からのイメージとのギャップや現場のリアル等」を聞き、発信します。そこで働く人達が何を想い、どのようなことをやりがいとしているのかに着目し、記事だけでなく動画も活用し、その人の人となりも伝わるよう工夫します。 現場で働く人々のリアルを伝えることにより、児童相談所で働きたい方や興味がある方を増やすことを目的に実施します。

広報啓発

見学会・おしごと説明会の開催

児童相談所の実際の様子を目にする機会を提供するため、いくつかの児童相談所と協力し、見学会やおしごと説明会を実施します。現場の職員の声を聞いたり直接質問をすることで、就職を希望する方々の増加を目指します。

見学会・おしごと説明会の開催

児童相談所職員同士の
ピアサポート等の人材定着支援

児童相談所で働いている職員の定着を支援するため、ピアサポートの機会を作ります。児童相談所における課題の一つとして、高い離職率があります。扱う情報が極めてセンシティブであることや、日々の業務の忙しさから、自分の悩みについて他者に相談を行うことも難しい環境があります。ピアサポートを実施することにより、苦労だけでなく頑張っていることや取り組み等を共有し合うことで「職員の孤立」を防ぎ、定着率を向上させることができると考えています。

児童相談所職員同士のピアサポート等の人材定着支援